目次
シドニーの彼
ずっと若い頃、シドニーに住んでいる彼がいた。当時メルボルンに住んでいた私に「僕のいとこがメルボルンに遊びに行くから一日ガイドをしてあげて」と頼まれ、待ち合わせのホテルに行くと、なんと彼が待っていた!なんてドラマチックな演出をする人だった。とっても好きだったけど、行き先が見えずそして遠距離恋愛だったこともあり、私の方から別れを切り出した。こちらから切り出しておいたにもかかわらず、随分と引きずり、陰な気持ちを長引かせ、彼を忘れるのに時間がかかった。(この時に、NLPを学んでいれば、別れることもなかっただろうし、別れたとしても長々と引きずる事もなかっただろう、苦笑)
それから、時がたち、もうすっかり彼とのことは昔の出来事になり、私はよきパートナーに恵まれた。第一子が生まれ、喜びに包まれた三日後、なぜかふと‘シドニーの彼’の事が頭によぎる。「どうしてるのかな」という気持ちだけで、彼に会いたいだとか、ましてはよりを戻したいとかそういう気持ちは全くない。何年も何年も彼の事を思い出す事などなかったのに、ただ、ふと彼のことが頭に浮かぶ。
催眠療法を試みる
その後も、ちらほらと‘シドニーの彼’が脳裏にめぐることがおさまらない。嫌な気持ちではないけれど、あまり思い出したくもない。‘シドニーの彼’を払拭したく、だれか専門家にお願いしたいと思うように。医者に行ったところで抗うつ剤の処方をされるくらいだろうと思い、私が尋ねたのは、過去生を自分で見るガイドをしてくれる催眠療法師さん。
私はベットに横たわりリラックスした状態で、催眠療法師さんが優しく、ゆっくり低い声色で催眠状態へと導いた。この種類の催眠を退行催眠と言う。それから私が過去生へとアクセスできるように、ガイドをしてくれた。そして私はぼんやりと、しかしながら強い確信とともに、映画のように頭脳で上映される過去生の私のストーリーを見た。
過去生の私
江戸時代らしき風景の中、私はいなかの貧しい家の娘で、成功された商人の家に奉公にだされていた。私は奉公先で買い物のため店が沢山ある通りにでかけた。橋のたもとで店を出していた風車売り。沢山の種類のくるくる回る美しい風車に見とれていた私。その風車をひとつとって、私に手渡してくれた若いお侍さん。そうです、それは過去生での‘シドニーの彼“だったのだ。
身分も立場も違う、結ばれる事はならない二人でしたが、逢瀬を重ねる。そしてついには、私の奉公先にバレてしまい、私は貧しい実家に戻されてしまった。その後、そのお侍さんは、武家のお嬢さんと祝言を挙げられたと風のうわさに聞いた。一方私は、繁盛する商家の、まじめで働き者の旦那さんと一緒になり、子宝に恵まれた。私の臨終では、畳の上で子供や孫に囲まれて幸せに亡くなっていった。
過去生を映画のように見た後、過去生の私と、現在の私はハグをした。過去生の私は、現世の私に「好きな人と結ばれなかった事なんて屁でもない、その後に起こる出来事は、幸せに満ち溢れている」というメッセージを伝えてくれた。
消えたシドニーの彼
そうして退行催眠後、もう二度と“シドニーの彼”が出てくることは無くなった。私の気持ちも驚きとともに、すがすがしい気持ちであった。過去生で起こった事を認識し、二人が出会い、結ばれなかった意味をくみ取ったから、あのお侍さんと“シドニーの彼‘は私の中で”成仏“されたのだろう。
たかが失恋、されど失恋。その失恋が次の生でこそ、実りますようにと二人を引き合わせた。しかしながら現世でもはたされず、じわじわと憂鬱な気持ちで、私を苦しめた。そんなしつこい過去生からの陰な気持ちも、退行催眠によって退散された。
そんな経験もあり、私も退行催眠をについて学び、実践できるようになりました。皆さんも、引き寄せられるように出会った方々、妙な結びつきを感じる人いませんか?袖触れ合うも他生の縁といいます。他生でのご縁を解明して、すっきりしたくないですか?過去生で果たされなかった宿題を、今世でかたずけたくないですか?ぜひ過去生への旅のガイドをさせてください。思い立ったが吉日。質問や、お悩み、ぜひお気軽にお問い合わせください。